心理検査
発達障害の早期発見や適切な支援に役立つ心理検査について、検査の種類や目的などをまとめてみました。
早期発見・早期療育につながる心理検査の大切さ
心理検査は、発達障害の有無や程度、発達特性などを、客観的に示してくれるテストです。心理検査を受けることによって、子どもの発達状態を知ることができ、早期発見や適切な療育に役立てられます。
子どもの幸せのため、将来の選択肢を増やすためには、保護者が子どもの発達障害を理解し、受け入れることが大切です。「うちの子、他の子とちょっと違うみたい」と不安を抱えている方は、できるだけ早めに専門機関を訪れることをおすすめします。心理検査は、病院や教育研究所、塾などの療育機関でも受けられます。
発達障害の診断をする心理検査の種類と目的
心理検査には、発達検査、知能検査、人格検査の3種類があります。それぞれの検査の主な目的などを以下にまとめてみました。
発達検査
主に乳幼児や小学生を対象として、子どもの全般的な発達状況を調べるための検査です。0歳~4歳7ヶ月の子どもを対象とした、「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」では、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6領域について、各領域の発達年齢を測定。子どもの発達状況を評価することで、適切な早期療育につなげていきます。
知能検査
幼児から成人までを対象として、知能を測定するための検査です。学習指導や就学指導、障害者認定などを目的として実施されます。知能がどの年齢まで発達しているかを算出する「田中ビネー知能検査」や、発達の特徴などを調べる「WISC-3」といった知能検査があります。
人格検査
幼児から成人までを対象として、性格や個性、精神状態などを知るための検査です。左右対称のインクのしみが何に見えるかをヒアリングする「ロールシャッハテスト」や、書きかけの文章の続きを自由に記入する「文章完成法(SCT)」などがあります。
心理検査の結果から説明を聞くときのポイント
心理検査の結果を見せてもらって、子どもの発達特性の説明を受けるときは、以下のポイントについて詳しく話を聞いておきましょう。
発達障害の傾向と、重複の程度について
注意欠陥/多動性障害(ADHA)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)の有無を確認します。また、これらの傾向が重複している子も多くいますので、どの障害をどの程度持っているのか、具体的に説明を受けましょう。
知的発達の側面について
知的発達に遅れがあるのかないのか、発達の程度や特徴を知ることも、子どもに対応するにあたって大切なポイントです。子どもが「できた!」「わかった!」という喜びを味わえる、適切なハードル設定をする上でも役立ちます。
生まれ持った特徴か、二次障害か
例えば、「やる気がない」「わがまま」「反抗的」といった特徴が、生得的なものなのか、二次障害によるものなのか、専門的な視点からの判断を聞いておくことも大事です。
検査結果や発達特性が、日常生活にどう影響するか
心理検査の結果や発達の特性が、具体的には子どもの日常にどのように影響しているのか、どう対応すれば良いのかを、詳しく確認しておきましょう。