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グレーゾーン

果たして発達障害なのか、それとも個性的なだけなのか?このページでは、見極めが難しいグレーゾーンについてまとめています。

発達障害か個性か?グレーゾーンの子ども達

発達障害は、診断基準となる特徴や特性の有無などで照らし合わせて診断されますが、診断基準だけで容易に決められるものではありません。例えば、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の「集中できない」「衝動的に行動してしまう」「落ち着かない」といった特性は、発達障害ではない子どもにもありがちなものです。

そのため、知能の遅れもなく、発達障害と判断するには難しい「グレーゾーンの子ども達」が多く存在しています。明らかに育てにくさや違和感を抱いているのに、なかなか診断がつかないことで、グレーゾーンの子を持つ親御さんがかえって悩んでしまうケースも多いようです。

グレーゾーンの子ども達は、周囲の人に理解されにくいのが特徴です。普通に生活できているため、「親や先生の言うことを聞かない」「ワガママな子」などと誤解されてしまうこともあります。

未就学児のうちは何となくやれている子も多いですが、小学生になる頃には、いよいよ問題と向き合わざるを得なくなっていきます。親もその現実と向かい合い、できるだけ早い時期から、グレーゾーンの子どもに必要なサポートを受けることが大切です。

二次的被害を防ぐためにも適切な支援が必要

グレーゾーンの子ども達は、周囲に理解されにくいために、家庭や学校でも注意されたり怒られたりすることが多く、自己肯定感が失われやすい傾向にあります。また、人の気持ちを理解することが難しい子どもの場合、友達付き合いでつまずいたり、誤解やいじめを受けたりもしやすいです。その結果、不登校や引きこもりになってしまうケースまであります。

このように、グレーゾーンの子ども達に懸念されるのは、心の健康を害するような二次的被害です。こうした二次的被害を防ぐためにも、早期発見・早期療育が効果的だと言われています。早い時期からその子に合った療育方法を見つけて、発達段階に合わせた適切な支援を受けることがとても大事です。

グレーゾーンの濃さから発達障害の程度を考える

ひとくちに発達障害といっても、その濃さはさまざまです。ここでは、濃さを3種類に分けてみていきます。発達障害の可能性がある子どもが、どの濃さのエリアに属しているかを把握することで、より適切な対応を専門家とともに考えていけるはずです。

エリアその1

いわゆる「健常児」と呼ばれる子どもの範囲内にとどまりながらも、発達障害の特徴である「不器用さ」や「注意不足」などを感じさせる場合です。診断名はつかず、「少し不器用なところがある」といった感じの子どもが属しています。

エリアその2

健常児のエリアには属しておらず、かといって診断名がつくほど高い濃度のグレーゾーンに属しているともいえません。しかし、人間関係をうまく築けずにトラブルが起きてしまうこともしばしば見受けられます。そのため、人との強調性が不可欠となる集団行動は難しい…そう感じられる子どもが属しているエリアだといえます。

エリアその3

「発達障害」という診断名がつくエリアです。濃度の高いグレーゾーンと軽度の発達障害が合わさるエリアです。文部科学省によって行われた2012年の調査では、「通常学級で学ぶ子どもたちのおよそ6~7パーセントがこのエリアに属している」という推定結果が出ています。

参照元:[PDF]文部科学省公式HP:https://www.mext.go.jp/content/2021015-mxt_tokubetu01-000018401_03-1.pdf

以上、グレーゾーンの濃さという観点から3つのエリアを紹介してきました。しかしながら、これら3つのエリアのいずれにもに属さない子どもたちもいます。

エリア1よりもグレゾーンの濃さが低い、つまり発達障害である可能性を感じさせない子どもが属しているエリアです。また、グレーゾーンには属さず、「知的障害」の診断名が付く子どもたちもいます。知的障害の原因はさまざまですが、脳性麻痺やダウン症が知的障害の原因となっている場合などもあります。

発達障害の適応障害において「つまずいてしまう分野」とは?

発達障害、あるいはそのグレーゾーンにいると考えられる子どもたちには、特有の性質があります。いずれも適応能力につまずきがあることが原因となる性質です。

代表的なものとしてあげられるのは「長時間じっとしていることが困難」「こだわりや執着をもちやすい」「忘れ物をひんぱんにしてしまう」などがあげられます。ここでは、これらのつまずきを、4タイプに分けて解説していきます。

  • タイプ1. 運動面におけるつまずき
    発達性協調運動障害の可能性があります。身体を器用に動かすのがあまり得意ではありません。たとえば、手や足など、身体のそれぞれの部位を手順にそって動かすのに困難だと感じる場合があります。手先が不器用であるケースが多いです。その結果、「どうせ上手くできないだろう」といった思いや考えが強くなり、自信をなくしてしまいがちです。チャレンジ精神が低下し、いわゆる、あきらめやすい子どもになってしまいます。
  • タイプ2. コミュニケーション能力におけるつまずき
    アスペルガー症候群の可能性があります。相手の立場にたって物事を考えるのが困難だという特徴があります。そのため、相手の気持ちや意図を察することができない場合もしばしばです。また、自分の心のうちを相手に理解してもらえるよう伝える力も高くありません。また、興味を持つ対象や関心を寄せる対象が狭いため、いわゆるマニアックとよばれるような特性をもっています。記憶力が高い特徴も、マニアックな世界観を築くための要素となっています。
  • タイプ3. 基礎学力におけるつまずき
    学習障害の可能性があります。基礎的な学力のベースとなる「読む・書く・聞く・話す・計算する」などのうち、ひとつあるいは複数の分野にわたってつまずきを持っているタイプです。知的な面での遅れが認められないグレーゾーンの子どもたちが、これらの分野を習得できないと、周りの人からは「なまけている」などの誤解を受ける可能性が高い傾向にあります。その結果、もっと努力するようにと厳しく対応されてしまうわけです。そういった的外れの努力を強いられた子どもの学習意欲は、どうしてもさがりがちに。できないことについて叱るのは、良い結果を生まないアプローチだといえるでしょう。
  • タイプ4. 行動面におけるつまずき
    注意欠陥多動性障害の可能性があります。集中力を持続することが難しく、じっとしていられないのが特徴です。ただ、じっくりと思考をめぐらすことができない反面、行動力に優れていたり、ひらめき豊かであったりするなどの性質をあわせ持つケースもあります。

紹介してきた4種類のつまずきは、グレーゾーンに属する子どもたちがそれぞれ1つずつ持っている性質ではありません。ひとりの子どもが複数のつまずきを持っており、それらが混在して現れやすいことがわかっているのです。ですから、自分の子どもが、「どのつまずきを持っていて、それぞれのつまずきの度合いがどの程度か」を詳しく理解しておきたいところです。子どもへの接し方のヒントとなるでしょう。

子どもが発達障害・グレーゾーンだと感じたら

自分の子どもに「発達障害の特徴があるかも」と感じたり、「グレーゾーンにいるのかもしれない」と思ったりした時は、自分だけで解決しないことが大切です。子どもの状態を把握できずに、誤って厳しく接することが続くと、親子ともども苦しい思いをする可能性があります。つまずきのある子どもに対して、できる限り適切な対応をするためには、ためらわず周りの助けをかりることが大切なのです。

相談する際には、子どもの状態を上手に伝えるために、気になることを「知能面(聞く・書く・読む・話すなど)」「感情面」「運動面(全身運動・手先の器用さなど)」「生活リズム」「協調性や社会性、コミュニケーション能力」などのカテゴリーに分け、リストをあらかじめ作成するとよいでしょう。複数のカテゴリーのなかから、特に気になるものから順に相談に乗ってもらうのがおすすめです。

また、相談相手から、次の3点についての回答を引き出し、子どもへの対応方法のヒントにしてみましょう。

  • 1. どうしてもできない事がある場合、その理由や原因は何なのか
  • 2. 家庭内で、あるいは親として何ができるか
  • 3. 将来的にはどのように状況が変化していくのか、あるいは見通しをたてるのは難しいのか

子どもの発達障害は誰に相談するのがベスト?

発達障害の可能性がある、あるいはグレーゾーンにいる子どもへの接し方や育て方については、専門家のアドバイスや指導を受けることが大切です。

相談できる機関は、幼稚園や保育園、保健所、保健センター、発達障害者支援センターなど、複数あります。また、子供の発達障害に関して豊富な知識や経験のある専門家としては、児童精神科や神経科の医師、あるいは療育士などがあげられます。

どこがベストなのかは、お子さんの状態によっても異なってしまうため、一概に判断はできません。ですので、まずは少しでも身近だと感じる機関・専門家に相談してみましょう。

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