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発達障害の子どもの学習法とは?

発達障害と一口に言っても、その種類はいくつかあり、学習法も異なります。発達障害として代表的な3つのタイプごとに、適切な学習法をまとめました。

発達障害の種類

まずは発達障害にはどのような種類があるのかを把握しておきましょう。子どもがどの種類に該当するのか、まずは適切な診断を受けることで、どのような学習法を取り入れればよいのかを知ることができます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorders)と診断された子どもは、自分の気持ちや行動をコントロールするのを苦手としています。主な特徴は、その名称のとおり「不注意」と、「多動性」「衝動性」です。

簡単なことにも集中できなかったり、普通以上に忘れっぽかったりなどの形で「不注意」の特徴が現れます。「多動性」は無意識に動き出してしまうなどの形、「衝動性」は感情を抑えられないなどの形で現れる傾向にあります。

この3つの傾向は別々に現れるとは限らず、2つ以上の傾向が合わさって現れることもあります。

「不注意」については、あらゆることに集中できないわけではなく、興味のあることなどには徹底的に没頭できるとも言えるのです。

LD(学習障害)

LD(Learning Disorders)は、知的発達に遅れがあるわけではなく、読み書きや計算など「特定のことだけ」が普通よりも苦手という形で現れます。

LDの中でも、苦手な分野の違いによって主に3つの分類があります。読むことが苦手な「ディスレクシア」、書くことが苦手な「ディスグラフィア」、算数や推論が苦手な「ディスカリキュリア」の3つです。

これらのうち1つの特徴だけを強く持つこともあれば、2つ以上を併せ持つこともあります。苦手な分野のこと以外は問題なくできるので、生活上の支障はほとんどなく、大人になるまで自分にLDの傾向があると気が付かない人も珍しくありません。

PDD(広汎性発達障害)

PDD(Pervasive Developmental Disorders)は、アスペルガー症候群や、自閉症などを含む診断名です。

特定の物事にこだわりがあり、興味のあることに徹底的に集中するという傾向を示すこともあります。言われたことをそのままするのは得意でも、予想外のことが起こると混乱したり、コミュニケーションが取れなかったりなどの形で現れるのが特徴です。

アメリカ精神医学会が2013年に作成した新しい分類としてASD(自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症)と呼ばれることもありますが、WHOや厚生労働省の分類では、このPDD(広汎性発達障害)が使用されています。

発達障害の種類ごとの学習法を解説

上記の傾向をふまえて、それぞれの発達障害の種類ごとに、適切な学習法を紹介します。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の学習法

ADHDの子どもは「集中することや、自分を抑えることが苦手」という点をふまえて、そういう傾向があってもできる学習法を取り入れていきましょう。まずは「集中しやすい環境」をつくってあげることが大切です。勉強の際には、子どもの注意をそらしてしまうものを隠しましょう。

無理に長い時間集中させようとするのではなく、ドリルなどを使って、短い時間の学習を繰り返していくことで「合計の学習量」を増やしていくことも推奨されています。

集中する時間をだんだん長くできればよいですが、無理にやらせるのではなく、適度にストレスを発散させてあげながら続けることも重要です。

LD(学習障害)の学習法

LDの子どもの学習法は、どのタイプの学習障害があるかによって異なりますが、カギとなるのは「音声化」と「視覚化」です。

読み書きに問題がある場合は、文字ではなく「音声」で学習することや、イラストなどの「視覚」を使った勉強法が有効である場合があります。

算数や推論が苦手な場合についても、数字や文字を使うのではなく、視覚化することで理解を助ける勉強法が役に立つでしょう。LDの子どもは「特定の分野だけ」が苦手で、普通にできる分野がたくさんあることが多くあります。その子の得意な分野や、できることにも目を向け、積極的な気持ちで接することも忘れないようにしましょう。

PDD(広汎性発達障害)の学習法

PDDの現れ方もさまざまですが、基本的な知能は高い傾向にあるので、その子が「気持ちよく勉強できるようにしてあげる」のが基本です。興味のあることには、とことん没頭させてあげましょう。

「予期していなかったこと」を苦手とする場合が多いので、できるだけ多くのことを予期させるために「予習」に力を入れてみることが役に立つことがあります。

予定表を作ってあげたりなど、その子にとって苦手な「予期せぬ事態」がなるべく少なくなるようにしてあげることで、勉強がスムーズにできるように助けることができるでしょう。

発達障害は簡単に分類できない

ここまで発達障害の種類ごとに、適切な学習法について解説しましたが、どれか1つにだけ当てはまるとは限りません。

2つ以上の併せ持つこともあり、子どもが成長するにつれて傾向が変化することもあります。特定の学習法に固執するのではなく、その子にあった方法を見つけてあげることが大切です。そのためにも複数の学習法を試すようにしてみましょう。

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